
こんにちは。
いつもありがとうございます。
ぶのしです。
さて、前回は人の行動を支配している「欲」についてお話しました。
人には基本的な8つの欲求、生命の8つの躍動がある。
文章で人を動かすには、その欲を刺激すればいい。
と言う話でしたね。
今回は「文章で欲を刺激する方法」についてお話します。
まず復習。
生命の8つの躍動を思い出してください。
1.生き残り、人生を楽しみ、長生きしたい
現代広告の心理技術101のP29より引用
2.美味しい食べ物、飲み物を味わいたい
3.恐怖、痛み、危険を免れたい
4.性的に交わりたい
5.快適に暮らしたい
6.他人に勝り、世の中に後れを取りたくない
7.愛する人を気遣い、守りたい
8.社会的に認められたい
さて、この生命の8つの躍動を刺激する方法。
それを理解するには、欲求とは何かを知らないといけません。
人の欲求とは何か?
想像してください。
お腹がすいたとき、どんな気持ちになりますか?
ご飯が食べたくなる?
じゃなくて、なんとなく不愉快 ―― 不快感を覚えますよね。
で、ご飯を食べると幸せな気持ちになる ―― 快感を覚えます。
これが恐怖なら?
いきなり包丁を持った人が襲ってきたら?
怖いという感情 ―― 不快感を覚えますよね。
危険が過ぎると安心感 ―― 快感を覚えます。
これが、欲求の正体です。
本当は不快情動とか快情動とか言うらしいのですが…。
ま、それは置いておいて。
で、人が欲求に逆らいにくいのは、不快感と快感を何度も繰り返しているから。
つまり、不快感を取り除けば快感が得られることを経験から知っている、ということ。
なので、不快感を取り除くために行動します。
欲求を満たそうとするわけですね。
ここまで大丈夫ですか?
では、文章で欲を刺激する方法を教えますね。
それは、読者の記憶に働きかける、です。
これがキモと言うか、重要なポイントです。
難しいかもしれませんが、ついてきてください。
ひとつずつかみ砕いて説明しますから。
まず大切なのは、具体的な言葉はイメージできる、ということ。
例を出しますね。
あなたは週末に、恋人と軽井沢へ出かけました。
レトロな建物が立ち並ぶ緑豊かな道を、恋人と一緒に歩いています。
楽しく会話をしていると、どこからか甘い香りが漂ってきました。
クッキーを焼いたような香ばしい、甘い香りです。
ふと、道の反対側を見ると、行列が出来ています。
その先にはパン屋さん。
看板に大きくメロンパンが書いてあります。
そう。
漂ってきた甘い香りは、メロンパンを焼く香りだったのです。
甘い香りに誘われた二人は顔を見合わせ。
「食べようか」
と言うと、パン屋に向かって駆けていき、メロンパンを待つ行列に並びました。
さて、どうでしょう?
軽井沢の街並み。
パン屋に並ぶ行列。
美味しそうなメロンパンの香り。
そして素敵な恋人。
あまたの中で、イメージしましたよね?
パン屋に向かって駆けていく、恋人と自分を想像したはずです。
これが、具体的な言葉はイメージできる、ということ。
具体的な表現を使えば、動画にすることもできます。
さて、なぜ文章でイメージが湧くのか。
それは、あなたの内側にある記憶にアクセスして、似たイメージを引っ張り出しているからです。
これ、分かりますか?
想像している、ともいえるんですが…。
例えばそうだな。
「すごくかわいい女性が」って書くと、あなたの想像するかわいい女性を思い浮かべるんですね。
過去に出会った中で、かわいいなって思う女性です。
でも、「女優の石原さとみが」って書くと、石原さとみさんを思い浮かべるんです。
これが、文章でイメージさせる、ということ。
つまり、文章であなたの記憶に働きかけ、イメージを引っ張り出している、と言うわけです。
ここまで大丈夫ですか?
難しければ、具体的な言葉はイメージできる、で覚えてください。
さて、なぜこれが欲を刺激することになるのか。
さっき欲求は、不快感を解消したいという気持ち、だと言いましたよね。
で、具体的に書けばイメージできる、とも言いました。
では、文章で不快感をイメージさせたらどうなりますか?
不快感を取り除きたい!
そう思って行動すると、思いませんか?
つまり、文章で読者の記憶に働きかけ、不快感をイメージさせる。
そして、商品で解決できることを伝える。
すると、欲求が働いて買いたくなる。
と言うわけです。
逆もできます。
この商品はあなたの欲求を満たします。
と、イメージさせるわけです。
美味しそうなハンバーグとかが好例ですね。
これが、文章で欲を刺激する方法。
つまり、読者の記憶に働きかける方法です。
本当かよ?
なんて思っていますよね。
なので例文を出しますね。
あなたの布団にはダニが沢山います。
ダニはアレルギーの原因になります。
布団乾燥機を買って、ダニを駆除しましょう。
この文章を読んで、「布団乾燥機が欲しい!」とは…思いませんよね。
では、これならどうでしょうか?
布団を定期的に掃除していますか?
ひきっぱなしの布団には、ダニが沢山います。
ダニはあなたの洋服や髪の毛について家に侵入。
そして布団に落ちたフケや垢をエサにして、爆発的に増えるからです。
その数、フケ1グラムで約300匹。
しかも、その中につがいが1組でもいると、2カ月で4000匹まで増えます。
もし300匹が全てつがいなら?
最低でも60万匹のダニがあなたの布団にいるんです。
4カ月掃除していなければ…なんと6000万匹以上…。
何万匹、何千万匹のダニと一緒に寝ている。
あなたの掛け布団の中に、枕の中に、ダニはうじゃうじゃといるんです。
何より恐ろしいのは、夜中に背中がもぞもぞすること。
目に見えないとは言え、もしかしたら…。
ダニの死骸はアレルギーの原因にもなります。
咳が止まらない、体がかゆいと感じたら、今すぐ布団乾燥機を使ってダニを退治してください。
最低限、布団を干すことをおすすめします。
布団乾燥機、欲しくなりませんか?
さて、最後に大切なことを言いますね。
それは、知らないことはイメージできない、です。
これは当たり前の話。
ですが、意外と見落としがちなこと。
例えばこれ。
ホットファジ・サンデーについて書いた文章ですが、分かりますか?
ギタードのミントチョコチップの巨大トリプルスクープと、湯気の上がったダークチョコのホットファジがけダブルスクープをふわふわのホイップクリームで覆い、刻んだナッツをかけ、てっぺんにマラスキーノチェリーを載せる。
現代広告の心理技術101のP225より引用
これ、アイスクリームのことらしいんですが…。
分かりませんよね!
私もわかりません(笑)
分からないのは知らないからです。
知らない言葉を惜しげもなく沢山使った文章だから、さっぱり分からないんです。
ちなみにホットファジ・サンデーはロイヤルホストで食べられます(笑)
で、大切なのは、知らないことはイメージできない、ということ。
つまり読者にイメージしてもらうには、読者が知っている言葉で書かないといけないわけです。
当たり前なんですが、すごく大切なこと。
そして、見落としがちなことなので、ぜひ覚えてください。
さて、この記事の内容は「現代広告の心理技術101」のP32~P36。
「人間の後天的9つの欲求」と「具体的視覚的言葉でイメージさせる」が該当します。
本書ではもっと詳しく書いてあるので、ぜひ参考にしてください!